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中島みゆきの名曲
- 1 名前:ジョン・スミス 2024/02/12(月) 19:52:14.97 ID:X50iwoju
- 中島みゆきの名曲から物語(ストーリー)を作る
- 98 名前:ジョン・スミス 2024/04/15(月) 19:33:12.53 ID:oh1Yke5C
- 「You don`t know」
...思い出してみると、いつも叶わない恋をしていた......
… そんな私も社会人になっていた......
先輩たちは、皆凄く仕事が出来て同期のみんなも私より作業が早くて
このままじゃクビかなぁ〜って、毎日ビクビクしながら終電まで頑張って、
持ち帰るのは怖いから朝早めに行って前日の残りをやって気付けば
季節がいくつも変わっていた.........
季節がいくら変わろうとも、仕事が出来ないのは相変わらず変わらなくて
去年の忘年会の二次会の後、先輩に駅まで送ってもらったのにも関わらず
… 寸前で終電を逃してしまい … せっかく送ってもらったのに…
あぁ... ついてないなぁ落ち込んでいたら...
そんな私を見て先輩は
「店を出る時に、引き止めちゃったから…」と言って謝ってくれてた。
そして先輩はタクシーを拾うと運転手さんにお礼を渡して
「彼女の家まで、お願いします…」と言って私を車内に押し込んだ。
閉まったドアの窓越しに、
先輩は「また明日、気を付けてね」と言って別れた...
私はそんな先輩が、いつの間にか好きになっていた...
その後も先輩は、仕事のフォローもしてくれたし上司に叱られて
落ち込んでいる時に夕ご飯に誘ってくれたりもした...
上司に叱られるのはしょっちゅうだから週に一度は飲むようになり、
いつの間にかホテルに誘われ関係を持つようになった...
...実はそんな先輩には、付き合っている彼女がいる......
私には眠れない一晩でも...
私は単なる遊びなのか... 先輩が分からない...
- 99 名前:ジョン・スミス 2024/04/16(火) 18:07:03.14 ID:9qhhncVz
- 「背広の下のロックンロール」前編
特集【あなたは男性のどこを見ていますか?】
『あなたは男性のどこを見ていますか…?! 収入などの経済力ですか?
職業ですか? 学歴ですか? 見た目・顔・身長ですか? 人柄ですか?』
「あ!、あれっ…?!」 ...いけない間違えて降りちゃった...
「うん、もう… 電車が行っちゃった... 何やってんの、私ときたら…」
女性誌「女の自立」に夢中になりすぎて間違えちゃった...
駅員さんに「すみません! 次の下りは何時ですか?!」
「30分後です。それが終電になりますので乗り遅れないでください」「は、はい!」
駅のプラットフォームのベンチに腰掛け、再び女性誌の続きを見ていると、
背中合わせに " ドン! " と中年の酔っぱらったサラリーマンが腰掛けた。
「ヒック、ヒック…」 …頭来るなぁー ベタついて乱れた髪、首が締まらなくなった
ワイシャツ、二重結びノネクタイ… 多分、ツータックのズボンなんか、
一本も持っていないに違いがないと思っていたら、
" ゲーッ、ゲーッ… " と吐いている… ‐ " もう最低! " ‐
‐ 次の日の休日、同僚が入院している病院にお見舞いに行って昨日の
「そして最後に " ゲーッ…! " って吐いてるのよ。あんな男と一緒に
いる奥さんてどんな気持ちで生活しているんだろうね。 きっと、
海外旅行なんて新婚旅行の時だけよ。それも多分、ハワイよ」
「ごめんね恭子。私の仕事まで押し付けられて疲れていない。
そんな途中の駅で突然、降りちゃうなんて...」
「そんなこと気にしないで、早く良くなってよ。そろそろ冬のボーナスよ。
冬休みの海外旅行のプラン立てなきゃね! これどうかな...」
「カナダでスキーかあ、私たちの旅行も来るとこまで来たって感じね...」
「六年前、セブ島、スキューバダイビングツアーから始まってアメリカ、
ヨーロッパに、今年のオーストラリア... よく回ったわよね…」
「そうねぇ、私たち貯金ないの当然ね、ホホホ…」
「そうね、アハハハ… じゃあ、また来週来るね! バーイ…」
- 100 名前:ジョン・スミス 2024/04/16(火) 19:10:48.73 ID:9qhhncVz
- 「背広の下のロックンロール」後編
翌日、会社に行くと入院している彼女に代わり新人が配置転換になっていた。
知らなかった。一流企業の社員で何があっても保証されると思っていたけど、
うちの会社、三か月入院すると、どんな配置転換されても文句は言えないんだ。
それに半年以上になると、給料までカットされるなんて初めて知った。
同僚の男性社員にそれを言うと「そんなことも知らないの?!」「知ってた?!」
「もちろん! 当たり前だろ、そんなの… こちらは君らと違って、
家族と住宅ローンがある。そんなノー天気で生きてない…」
そっか、入院している川島さんが駄目なら、川島さんの代わりに入った
この子と一緒に行こうかなぁ…と新人の子をさっそく誘った。
「あなた、海外旅行、行くでしょ… 当然よね!」
「私、行きませんよ!」「あらっ! どうして…?!」
「だって、OLの団体ツアーなんて、農協のお上りさんと全く同じですから…
要するに、旅行会社と航空会社のカモでしょ…」
「え!、でも、素敵よ! 海外旅行って一生の思い出になるわ…」
「自分の人生ですから、自分の思いでは自分で演出します!」
「そ、そんなこと言ったって、なかなか一人じゃ…」
「ガールズバンドやっているんです! 他の会社のOL達と仕事が終わると
毎日演奏して歌っているんです…」「あなた、歌手になりたいわけ?!」
「いいえ、好きだからやっているんです。ただそれだけですよ…」
‐ 仕事が終わり、更衣室で着替えていると...
「アハハハ… それはおかしいでしょ…」「でしょ… もう、典型的な
思い出作り症候群よ。いきなり海外旅行って、素敵よ! 一生の
思い出になるわだってさ… ワハハハ…」「プーッ…」
「うちの課にもいるわよ!
言うことすべて例の女性誌『女の自立』の通りに生きているのが…」
「うちなんか、あの手の雑誌に出ている店でしか食事しないのが…」
「すべて他人に決めてもらって喜んでいるんだもの…」
「流行を人に決めてもらって、もう電車の行き帰りに必死で、目を皿の
ようにして読んでいるんじゃないの… アハハハ…」「キャハハハ…」
… 私が、すぐ裏のロッカーにいることも知らずに...
(何がロックだ!、バカヤロー お前らだって、いつか年取るんだぞ!)
彼女らが帰った後、私もロッカーを後にする...
そして帰りの駅のプラットフォームの椅子に腰掛ける。
" ドン! " とまた例のくたびれたサラリーマンの姿が...
… 今日も酔っぱらっていた … べとついて乱れた髪、首が締まらなく
なったワイシャツ、二重結びのネクタイ、そしてバーゲンで買った
替えズボン付き背広、 家族の為に、生きているんだなぁ...
今まで私は男性のどこを見ていたのだろう...
- 101 名前:ジョン・スミス 2024/04/16(火) 19:10:48.93 ID:9qhhncVz
- 「背広の下のロックンロール」後編
翌日、会社に行くと入院している彼女に代わり新人が配置転換になっていた。
知らなかった。一流企業の社員で何があっても保証されると思っていたけど、
うちの会社、三か月入院すると、どんな配置転換されても文句は言えないんだ。
それに半年以上になると、給料までカットされるなんて初めて知った。
同僚の男性社員にそれを言うと「そんなことも知らないの?!」「知ってた?!」
「もちろん! 当たり前だろ、そんなの… こちらは君らと違って、
家族と住宅ローンがある。そんなノー天気で生きてない…」
そっか、入院している川島さんが駄目なら、川島さんの代わりに入った
この子と一緒に行こうかなぁ…と新人の子をさっそく誘った。
「あなた、海外旅行、行くでしょ… 当然よね!」
「私、行きませんよ!」「あらっ! どうして…?!」
「だって、OLの団体ツアーなんて、農協のお上りさんと全く同じですから…
要するに、旅行会社と航空会社のカモでしょ…」
「え!、でも、素敵よ! 海外旅行って一生の思い出になるわ…」
「自分の人生ですから、自分の思いでは自分で演出します!」
「そ、そんなこと言ったって、なかなか一人じゃ…」
「ガールズバンドやっているんです! 他の会社のOL達と仕事が終わると
毎日演奏して歌っているんです…」「あなた、歌手になりたいわけ?!」
「いいえ、好きだからやっているんです。ただそれだけですよ…」
‐ 仕事が終わり、更衣室で着替えていると...
「アハハハ… それはおかしいでしょ…」「でしょ… もう、典型的な
思い出作り症候群よ。いきなり海外旅行って、素敵よ! 一生の
思い出になるわだってさ… ワハハハ…」「プーッ…」
「うちの課にもいるわよ!
言うことすべて例の女性誌『女の自立』の通りに生きているのが…」
「うちなんか、あの手の雑誌に出ている店でしか食事しないのが…」
「すべて他人に決めてもらって喜んでいるんだもの…」
「流行を人に決めてもらって、もう電車の行き帰りに必死で、目を皿の
ようにして読んでいるんじゃないの… アハハハ…」「キャハハハ…」
… 私が、すぐ裏のロッカーにいることも知らずに...
(何がロックだ!、バカヤロー お前らだって、いつか年取るんだぞ!)
彼女らが帰った後、私もロッカーを後にする...
そして帰りの駅のプラットフォームの椅子に腰掛ける。
" ドン! " とまた例のくたびれたサラリーマンの姿が...
… 今日も酔っぱらっていた … べとついて乱れた髪、首が締まらなく
なったワイシャツ、二重結びのネクタイ、そしてバーゲンで買った
替えズボン付き背広、 家族の為に、生きているんだなぁ...
今まで私は男性のどこを見ていたのだろう...
- 102 名前:ジョン・スミス 2024/04/17(水) 17:59:52.25 ID:YvgC8rw0
- 「蒼い時代」
「おねえちゃん、どうしたの?!」「てっちゃん! こっちに来て...」
何があったのか…?! 6歳のボクにはまったくわからなかった...
お姉ちゃんにハグされた時、" 奇妙な匂いがした! "
それはいつもハグされた時とは、" 違う匂い " だった...
夕食の時、ボクが、ボケーっとしていると母が、
「徹! 何ぼやぼやしてんだよ! 早く食っちまいな!!」
「早飯、早糞も芸のうちってなぁ〜 ガハハハ…」
「英二! 子供の前で、そう言うくだらない冗談はよせ!」
「あ、また、兄貴、マジになっちゃって嫌だなぁ〜 大学行っちゃったりすると、
我々庶民と話が合わなくて困るよ。なあ、父ちゃん! アハハハ…」
「うん! ガッハハハハ…」うちの家族はいつもこんな感じだった...
その日一日、子供ながらにボクは、
隣の千恵姉ちゃんの奇妙な匂いが頭から離れなかった...
...なんの匂いだろう.........
「徹、何かあったのか…?!」「う、うん… なんにもないよこういちにいさん…」
「徹、食欲ないなら、牛乳だけでも飲んどきな…」と母ちゃんが言った。
‐ そっか! " 牛乳だ!" ‐
...あの匂いは、間違いなく乳の匂いだった.........
母ちゃんの胸に顔を埋めた。それを見た母ちゃんが、
「徹、何やってんの?! 今日おかしいよ。熱でもあるんじゃないの…?!」
「徹、お前、小学生にもなって、又、母ちゃんのオッパイが恋しいのか…?!
なっ、父ちゃん! ワッハッハ…」「うん! ガッハハハハ…」
「かあちゃんのオッパイは、
どうしてチェねえちやんみたいにおちちのにおいがしないの…?!」
そんなボクの言葉に、家族みんなが " 驚き! " 静まり返る...
「千恵ちやんのオッパイ… お乳の匂いがしたの…?!」と母ちゃんが言うから
ボクは「うん!」と答えた。そしたら母ちゃんは「そう言えば、千恵ちゃん、
最近、お乳が張っているような気がしたけどさ… もしかして妊娠…?!」
「母さん! また、くだらないことを触れ回っちゃダメだよ!!」と
幸一兄さんが念を押すように注意した。「分かってるよ!」と母さん。
しかし、母は町でも有数のいわゆるスピーカーと呼ばれる女の一人だった...
当時、16歳の少女の妊娠が発覚。妊娠によりお互いの両親に17歳と16歳という
未だ幼い二人の関係が明るみになり、少女の親はこの先、娘が背負うリスクを
考え、少年の親は息子の将来を考え中絶を強要。そして二人は引き裂かれた。
泣く泣く中絶に同意した少女に少年は
「十年経って、自分が立派な社会人になったら、きっと君を迎えに来る…」と
そのようなことを言っていたと言う話を後で理解できる歳になって知った。
当時、小学校に上がったばかりで、幼かったボクはその後のいきさつを
何も知らなかった... 中絶したのか、しなかったのか、
...本当のことは何も知らない.........
- 103 名前:ジョン・スミス 2024/04/17(水) 18:09:13.48 ID:YvgC8rw0
- >>102
下から17行目修正
チェねえちやん×
チェねえちゃん〇
下から15行目訂正
千恵ちやん×
千恵ちゃん〇
- 104 名前:ジョン・スミス 2024/04/18(木) 18:32:46.92 ID:Dn+Jyo2V
- 「旅人よ我に帰れ」
(約束したよね。ずっと一緒だって…) … 私は微笑む …
全く同じタイミングで … ミカも微笑んだ … まるで鏡に映したように...
瓜二つな私たちは時折、両親でさえ見分けがつかないくらいよく似ている。
昔は入れ替わって、よくいたずらをした。今でも、時折することがある。
(生まれてくる前から、ずっと一緒に居たの。
だから、これからもずっと一緒よ。そうでしょ…)
(そうよ。だって約束したじゃない...)お互いが同じタイミングで頷く…そう約束した。
世界でたった一人きりになるような悪夢の果て私たちは二人お互いに寄り添い合った。
どんなに怖くても、ミカと一緒なら怖くはなかった...
ミカに向けて手を伸ばし、ミカもまた私に向けて手を伸ばす......
触れ合った指先… 冷たくてかたい(リカ...)………………
… 突然、聞こえた声に振り返る...
… 視線の先にお母さんが悲痛な面持ちで立ち尽くしていた...
その目は間違いなく私を見ていた。 ... どうして…?! ...
何も悪いことしていない... " どうしてなの…?! "
お母さん... 私はただミカとずっと一緒に居たいだけ...
ただそれだけなのに… どうして…?!
「いい加減にしなさい もうミカはいないのよ 生まれてくる前に亡くなったの...」
足元で… " 突然 " … 何かが割れるような音がした! …
‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ここで目を覚ます! ‐‐‐
……………… また不思議な夢を見た…
私には、私じゃない誰かがいる… でも、私は私一人しかいない…
でも、私を守る何かが居た。私は生まれてくる前、一卵性双生児だった。
姉のミカはへその緒が首に三重に巻き付いて絡まったのが原因で死産…
私だけが生きて産まれて来たと言う話を母から聞いた.........
あなたのぬくもりをどこかに感じながら... 探し求めながら・・・
‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 今日も生きている…
自宅を出て近くのスーパーで買い物をした後、
いつものようにマンションのエレベーターに乗る...
「帰ってきたら結婚しよう」そう言って搭乗ゲートへ歩いて行った彼…
… あれから三か月、何の音沙汰もない.........
マンションの6階に着いた … ドアが開く … エレベーターを降りると、
" 信じられない光景が目に飛び込んで来た! "
「り、良介…?!」と私は叫んだ! そして私は彼めがけて駆け出した…
「合鍵をなくした。君が帰ってくるまでここで待っていた」と彼は言う。
「帰って来たよ。約束通りに結婚しよう!」「うん!」
- 105 名前:ジョン・スミス 2024/04/19(金) 18:29:50.62 ID:LGBa+FJ1
- 「BA-NA-NA」
外側が黄色で中身が白。「見た目がアジア人で中身が白人」白人に迎合的で
卑屈なアジア人。バナナは黄色い皮をむけば中身は白いので黄色人種なのに
中身は白人のつもりの人を指す。またはアジア生まれのアジア人が北米で
生まれ育った移民の子孫が外見はアジア人だけど言葉や文化、思想などは
欧米的であることを指して揶揄的に使う場合が多い。差別用語と言うよりも
ジョークとして使うことの方が多い。アメリカのように他民族が一緒に
暮らす国に行くと、何処でもそれぞれのコミュニティがあって自分たちの
文化を守りながら現地に溶け込んでいく背景が見える...
アジア系の人たちはアジア系の人たちと生活し、中南米系は中南米系、
アフリカ系はアフリカ系、それぞれのコミュニティの暮らしがある。
でも、例えばアジア系の中で二世、三世とかになってくると小さな頃から
白人社会の中で学校へ行って生活して彼氏や彼女は白人でと言うことがある。
そうなった時に使われる言葉でもあった...
単にアジア人なのにアジア人とは付き合わず、いつも白人と一緒にいるような
人を指すこともある。留学生の中には「私は英語を勉強しに来たんだから、
日本人とは絶対にに話しません。基本的には白人の方がいいので、
アジア人全般とも付き合いません」と言う人もいる。
こんな人も現地の人から言わせると " BANANA " なのだと言う話を聞いた。
英語を勉強する目的であっても、友達作りは上手くバランスを取りながら
出来ればいいと思う。私は白人から差別を受けている黒人たちが日本人を
非難するときに使っていた言葉だと思っていた......
フィギュアスケートの高橋大輔選手が優勝したカナダ大会で白人の
おばちゃんが大きなバナナのぬいぐるみを渡している光景を見た
ことがあって、どういう意味なのだろう…?!
イエローモンキーでもないし、人種差別的意味…? 高橋選手の演技で
会場は一斉に盛り上がっていたし、大きなバナナのぬいぐるみを
わざわざ探して会場に持ってきた情熱を考えると、分からなかったので
それで私はサウスカロライナに住む妹に訊いたところ...
「差別的な意味ではないよ。こっちの人の感覚だと、アジア人だけど
先進国だから白人の仲間みたいな感じ…」と言っていた...
アジア人なのに白人ぶりたがる日本人のことを反感と軽蔑を込めて
BANANAと呼ぶとばかり思っていたけど、色々調べると、
そんな悪い意味より良い意味で使われることも多いみたい…
外国に行くと何かと思い知らされることって多いと思います。
私もこっちに来て住んでみて初めて日本の良さがわかりました。
あぁ、 今日も思い知らされる BA-NA-NA-NA-NA-NA
あぁ、 今日も思い知らされる BA-NA-NA-NA-NA-NA
- 106 名前:ジョン・スミス 2024/04/20(土) 18:58:20.95 ID:oE5X8tST
- 「愛から遠く離れて」前編
「お疲れ様。みんな休んでいいわよ。
あっ! お客さん、お茶でしたら電話で言ってくだされば…」
「いや、お茶はいらない。君が昨日、私に言ったことを確かめに来たんだ。
一晩、二万円で客と付き合うと言ったこと。あれは、本当なのかね…」
「は、はい」「今晩、私の部屋に来てくれるかね…」「はい」………
やはり気付いていない... もい、人生に過去」というものがなかったら、
私はまた違った生き方をしていたに違いない......
... ... ...
‐ 私がとった初めてのお客... 部屋に戻ると「あ、おかみさん…」
「あんただけには、してほしくなかったよ。あんなこと…」「すみません」
「謝ることはないさ、案外、私は心の中じゃ、喜んでいるのかもしれないよ。
あんたがお客をとってくれたら、この辺の男たちも、うちに泊まりだすよ」
「やっぱり、あの人をお客には出来ませんでした…」
「?!… せっちゃん…もしかして、
あのお客、此処に来る前、あんたの...」
「ええ、三日間も泊まっていながら、私の顔さえ忘れていました...
この十年間、私はあの人を忘れる為だけに、ここで生きて来てバカみたい…」
「じゃ、何故、そんな男と寝たんだい。何故、そんな馬鹿なことを...」
「抱かれながら、お前が私を忘れたように、私もお前のことなんか忘れてるぞって、
ただのお客だと、心の中で笑ってやろうと思ったんです...」
「それで笑えたの…?!」
「何なんでしょうね。男と女って... うっ...
何なんでしょう、一体......」
--------- 私が外村を知ったのは、もう十年も前のことだった...
仕事が終わって、通っていた定時制の高校の英語の講師だった彼のアパートで
「先生、まだ気にしているんでしょ。気にしないでください…
私が勝手にここに来ているんですから...」
… 後悔はしていなかったし嬉しかった … " そんな時だった! "
- 107 名前:ジョン・スミス 2024/04/20(土) 20:02:23.99 ID:oE5X8tST
- 「愛から遠く離れて」後編
大家さんがドアを叩く「女の人が来ていますけど…」
「今行きます! 君は帰った方がいい…」「はい」
もう来ちゃいけないんだ... そんな時、机の上にあった腕時計...
「先生! これ、頂けませんか?」「そんなおもちゃの腕時計、いいよ。
いずれちゃんとした腕時計買おうと思っているから、でも、どうしたんだい。
急にそんなもの欲しがって?」「さようなら!」と私は駆け出して行った。
暫くして先生のアパートの外から、明かりのついた部屋でカーテン越しに男女が
抱き合っている姿影を見る... ただこの街を離れたかった......
... ... ... ... ... ...
...そんな過去を回想していると.........
「お客さんがお帰りだよ…」とおかみさんの声…
「こちらに来る機会がありましたらぜひ寄らせていただきます」
「ありがとうございます。帰りは、真っ直ぐお帰りですか?」
「いえ、ちょっと、船で花崎まで行って列車に乗り換えるつもりです」
「そうですか…」そんなおかみさんとのやり取りを聞いていた私は
「では、私が船着き場までお送りしますわ…」私が送っていくことになった。
船着き場まで一緒に歩いている途中だった...
「どこかで君と会ったことはなかったかな?」「いえ...」
「そう...」暫く歩いて船着き場に着いた。
「あの… お客様、腕時計をお忘れでは…?」
「いゃあ、元々、僕は腕時計をしないんだ」「そうですか…」
「昔は貧乏でね、腕時計も買えない時期があってね。あの頃を忘れないように思って
腕時計はしないことにしている。そう言えば、おもちゃみたいな腕時計をしていた
時期もあったな。アハハハ…」「お荷物を」と荷物を渡す時、私がしている
腕時計を見て「?!! ...も、もしかして、き、君は...」
...タンタンタンタンと
船着き場から船が出て行く.........
...タンタンタンタン...
見送った後、もし、人生に過去というものがなかったら...
私は過去と決別するように腕時計を海に捨てる...
過去を引きづって生きて来た時間...
私はようやく過去という時間を捨てられる.........
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